建築計画研究所 都市梱包工房

ARCHITECTURE DESIGN & CITY PLANNING OFFICE

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 周辺環境とのかかわり
 


 

 
  建築は一度そこに築かれると動く事は在りません。建築の建てられる場所、周辺環境の調査は充分にします。その上でその敷地が置かれ自然、気候風土の特長を組み取り把握し、それらを活かすデザインが必要となります。近隣と共有する自然環境から生み出されたオリジナルなデザインは、近隣との共有の、モチーフやアートとして楽しめます。
      

空虚化する街路空間

 都市部の密集市街地では、空地や路地はあっても公的公園は数少ないのが現状です。ですが、十数年前には、それなりに四季の変化をみせる生垣や庭を持つ家がまだ残されていました。それらと空地や路地を加えると、なんとか街全体のバランスは保たれているため、あえて公共の公園がなくとも、日常さほど不便を感じなかったのです。
 また、たとえ小さくとも、個々の家それぞれの庭に見られるような、緻密で手のこんだ庭を垣間見る方が、清々しい気分になるものです。それは、庭や生垣に対する住み手の思いが、道を通るこちら側にも十分に伝わってくるからでしょう。
 しかしながら今日では、そうした風景は急速に陰りました。つくり手と見る側それぞれの思いを満たしてくれた生垣や庭、空地が、年を重ねるごとにアパートや建売住居、マンションに変わったからです。
 街路はもはや空虚化し、寒々しく横たわるようになりました。

周辺環境との調和

 こうした状況に対し、阿佐ヶ谷の家では角地の建物コーナーに、塀やフェンスの変わりに立体庭園壁を設けることで対処を試みました。この壁はコーナーに沿って直径10m強、壁高4m弱の円筒形をしており、壁面全体で自然を取り入れ、表現しようとしたものです。その表現は大きく2つの方法から成り立っています。
 その一つは鉄製の風車、風見鶏、ステンドグラスの光のオブジェ等により朝夕の光の変化や風向きを取出そうというもの。
 そしてもう一つは、壁面を蔦や草花の植歳、昆虫が生息しやすい環境とし、自然そのものを活かす方法です。
 そうした人為的な自然表現と、真実の自然表現とが壁面の中でからみ合い、その共演を住い手だけでなく、道行く人も楽しむことができるようにしました。
 建築は周辺環境から切り離しては存在し得ません。お施主様の要望を満たすと共に、周辺環境との調和を図ることは私達の社会的使命であると考えています。

   

 

 

 


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