建築計画研究所 都市梱包工房

ARCHITECTURE DESIGN & CITY PLANNING OFFICE

 


 

 
第25話  チチカカ湖 浮島の民と集落
 
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ここ10年来,全国各地の住宅地の値段もずいぶん下がってきたが,でも誰もがまだそう簡単に買える訳ではない。特に大都市周辺はまだまだ宅地は高価で,一般のサラリーマンには高嶺の花だ。安い土地とマイホームを求めて,今年も又日曜祭日に,郊外に,さらに郊外へ向かう人が多くなるのだろう。
 
土地が有限である限りしかたがない。「魔法のように土地を自由に生み出せたら良いのに」等と思った方もおられるのではないだろうか。現実それが可能なのだ。冗談で言っている訳でも,飲み過ぎて悪い夢を見過ぎている訳でもけっして無い。
 
標高3885m,世界で最も高所にある湖チチカカ湖。この湖に暮らすウル族は家族の土地は自らの手で生み出す。チチカカ湖は琵琶湖の12倍もある巨大な湖だ。湖の中央部がペルーとボリビヤの国境,水深281m,湖の至る所にインディオ達がトトラと呼ぶ蘆が茂る。ウル族はこのトトラを様々な所に利用する。その一つの利用のされ方が自分達家族の住む住宅地造り。刈り取ったトトラを束ね,湖に幾段にも重ねて浮き島を造ってしまうのだ。
 
上に乗るとふんわりとする。踝ぶしまで,まだ造りたての柔らかい場所では膝近くまで身が沈む。余り気持ちの良いものでは無い。
島の端部に,知らずに行くと腰まで水に漬かる事もある。島の周囲はトトラが薄く積まれているので大変危険なのだ。島が古くなれば叉新しいトトラを上に積みあげる。こうしてトトラがある限り島は永久に安泰,住宅地も確保されるのだ。
 
小さいものは畳の大きさにして6畳程,大きなものになると学校や教会等を持つ島も在る。チチカカ湖にはそうしたトトラの浮島が40島ほど,約1000人近くが住んでいると言う。
 
私達はその一つの島を訪れる事が出来た。アンデスの町プーノから小舟で1時間ほど沖の,学校が置かれそれらの島々の中心的な島であった。

 

   

 

 

 


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