建築計画研究所 都市梱包工房

ARCHITECTURE DESIGN & CITY PLANNING OFFICE

 


 

 
第21話  中米、メソアメリカの集落.3
      世界を支えるマヤの食物と染料
 
1|2 


 

 

 
 
 
 
 

 
マヤ文化と今日の私達の生活とは,実に多様な側面で結びついて来ている。特に食物と織物等の染料は,関わりも古く深い。例えば食物ではジャガイモ,トウモロコシ,カボチャ,インゲン,ヒョウタン,トウガラシ・・・等。日常の私達の食卓の賑わいは,マヤに繋がる食材が大変多い。
 
マヤの地でトウモロコシの栽培が行われ出したのは,紀元前5000年も前からであると言う。トウモロコシを粉にして焼き上げたものが私達にも馴染みのトルテーヤで,中南米の国々の主食となっている。西洋諸国のいわばパンのようなもの。小麦粉を焼くか,トウモロコシの粉を焼くかの違いであるが,私達にはそれらの生活文化は全然異なって見える。
 
アメリカ大陸に興ったマヤ,インカ,アステカ,と言った文明の盛衰は全てこのトウモロコシと共にあったとも言われれる。それほどトウモロコシは彼等の生活にかかせないものであり,大切の物なのだ。
 
トウモロコシやジャガイモ等のように,中南米原産の食物は貧土や荒れ地に強いものが多い。その結果自然環境の厳しい開発途上国を始め,世界の各地に広がり多くの人々の飢えを充たした。言わば食のピンチヒッター(準主食)として各国に定着して来たと思うのだ。
 
織物とその染料も食物同様であるが,こちらは主役に近い。日本との関係で一例をあげれば,あの戦国武将の陣羽織に使用された緋色の染料がそれである。これは中南米より一度スペインに運ばれ,ポルトガル人によって日本に持ち込まれたらしい。やがて西陣の織物にも使われ出して,マヤの女性同様に日本の女性をも飾る事になる。
 
その緋色の原料は,コチニールと呼ばれ,サボテンに寄生する虫が原料である。あの鮮やかな赤は虫がもたらす深紅色なのだ。マヤの染料は全て自然界から採取されたもので,その多様さは世界屈指であると言う。その多様な染料をを用い織るのがマヤ織りなのだ。
 
織られる布の模様や色つかい,そしてデザイン等は各部族で異なり,独自なものが在る。と言うよりむしろ各部族間でその違いを競いあい,その結果部族の  固有性を確認しあっている,と見るのが正しいようだ。

 

   

 

 

 


■LINK  ■SITE MAP  ■CONTACT
〒151-0053
東京都渋谷区代々木3-2-7-203
tel : 03-3374-7077
fax: 03-3374-7099
email: toshikon@eos.ocn.ne.jp