建築計画研究所 都市梱包工房

ARCHITECTURE DESIGN & CITY PLANNING OFFICE

 


 

 
第19話  中米、メソアメリカの集落.1
      マヤ人の集落と征服者の町

歴史や自然と遊離したコロニアルスタイルの町

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ある意味で植民都市。征服者達は町の統治を最優先させたのだろう。その結果その地の民族を問わず,文化を問わず,自然環境を問わず,谷部であろうが山の尾根であろうがグリッドプラン(格子状道路)の町の構造が貫徹されることになる。
 
だから極端な見方をすれば,コロニアルスタイルの町では,どこでも皆同じような町の構造を取る。幾つか町を見て慣れてくるとわざわざ町の中に入らなくても,おおよその町の中の造りが想定されてしまう。その地域の地形や自然と無関係に築かれた町は内部に入ってもたのしくない。グアテマラのように自然が多様で,地形が複雑の国であってもそうした流れは変わらないのだ。
 
例えばグリッドプランの町の基本的構造を,簡単に述べるならこうなるだろう。ほぼ町の中央に教会が在り,そして広場が在る。少し大きな町ではこれらに,役所とかの公共の施設,さらには店が加わると言った内容である。
 
住居の多くはこれらの施設の周りに,格子状の道に沿って築かれ事になるが,町の周縁はだらだらとしており境界とか,その領域は余りはっきりしてない事が多い。もちろん集落や町の造りは経済や成熟度合いを投影して,立派なものから粗末に見えるものまで,程度の違いは在るのだが,その基本的仕組みは変わらないのだ。
 
私達はインデイオの固有の集落,コロニアルスタイルを取らない町や集落を求め旅をした。
海岸ぞいの町から,山岳地へ,あの鬱蒼と茂る熱帯雨林の中で見た,テイカルやコパンの素晴らしいマヤの都市の遺構を,どこかに宿し伝える町や集落があるはずである。 
 
グアテマラに限って言えば,中南米の中でもマヤ系インデイオ(60%弱)が最も多く住んでおり,その期待は高い。次回から中米メソアメリカにに生きるマヤ人の集落と住まいを,数回に渡って報告します。それは征服者の町コロニアルスタイルと,融合しながらもなをかつマヤらしさを色濃く残こそうとする,インデイオ達の生活とその集落でもある。
 

 

   

 

 

 


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